皆さんこんにちは(^▽^)庚午スマイル整骨院です。
今日は小児に起こる『肘内障』についてお話します。
肘内障という傷病は、一般的にあまり聞きなれない名前だと思います。しかし、お子さんやお孫さん、ご自分の子供の頃腕がハズれてしまったという経験がある方は、以外と多いのではないでしょうか❔
この腕がハズれた状態、このことを医学的には肘内障(ちゅうないしょう)と呼び、小児に特有の肘関節の脱臼とされています。そしてこの脱臼は癖になりやすい脱臼です。
では、肘内障について、なぜ小児に特有で癖になりやすいのか、また一度なったら一生繰り返すのか、もし肘内障になったらどのように対処したらよいのかをお話していきます。
肘内障について、私たち柔道整復師の教科書を見てみると『学齢前、特に2~4歳の小児に特徴の障害であり、橈骨輪状靭帯が橈骨頭から逸脱する。肘関節伸展位で前腕を強く引いた時に発生しやすく、小児は急に痛みを訴え、上肢を動かさなくなる。年齢と発生機序および回外運動の制限から判定される。』とあります。
なぜ小児に特有の障害なのかということですが、肘内障の発生メカニズムについては未だ議論の余地は残されているものの、小児の骨格が成人の骨格に比べまだ完全に出来上がっておらず、また靭帯の解剖学特性から小児に多いと言われいます。
前腕を回内(手のひらを下に向けた状態)で引っ張られた際に、橈骨輪状靭帯が関節包と共に関節内に嵌入し、その結果上肢の運動制限と痛みが発生するのです。実際、子供と手をつないで歩いていて不意に手を引っ張った時などに発生することが多く、またご両親などに確認すると以前にもハズれたことがあるという子が大勢います。癖になっている子は、寝返りなどで腕が身体の下になり力が加わっただけでハズれる事もあります。
では、一度癖になったら一生繰り返すのでしょうか❔
肘内障は小児に特有の脱臼です。小学校に入る時には骨格も成長し、また靭帯も広範囲に付着するため、学齢期に達すると肘内障は起こらなくなると言われています。
しかし、いずれ起こらなくなるとはいえ、ハズれた本人にとっては苦痛以外のなにものでもありません。もしハズれたら、どのように対処したらよいのでしょうか❔実はこの肘内障はレントゲンなどの画像診断では確認できません。受傷時の状況を詳しく伺い、症状を確認して判断いたします。肘内障の治療は、何よりも速やかな整復が一番です。もちろんこの整復は、私たち柔道整復師の得意技と言っても良いでしょう。もし、『ハズれた』と思ったら、すぐお近くの整骨院・接骨院にご連絡下さい。
最後に予防についてですが、実は子供が手に力を入れている時に引っ張ってもハズれません。力を抜いている時に引っ張るとハズれてしまう事が多いです。手を繋いで歩く時も子供にしっかり握らせるようにしたり、子供がおもちゃなど他の事に集中している時などは、不用意に引っ張らないようにしましょう。
肘内障は整復をすればその場で痛みが解消され、運動機能も元に戻ります。ももしも肘内障が起こったら、保護者の方は慌てず、騒がず、冷静に、休日でも時間外でもいいので、すぐにご連絡ください。
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