膝の痛み
膝の痛みに関する当院の考え
筋肉の緊張状態が続くと、筋肉に乳酸が溜まり、痛みを発生させる「発痛物質」が出現します。そして固く縮んで循環不全や慢性炎症を起こし、筋硬結が形成されます。筋硬結は、それ自体が痛みやシビレを引き起こすだけでなく、関節周囲にも痛みを発生させます。
当院では、姿勢の崩れは筋肉が短縮しているか、あるいは伸長されているのかに注目し、その不均衡は疼痛や不快感、あるいは関節運動の制限に関与すると考えます。
痛みの原因は「骨格の歪み」と考え、脊椎の土台となる骨盤の位置を調整することによって、姿勢の不均衡に対処しています。骨盤の歪みを戻すことで、骨格を支える筋肉、靭帯、腱といった組織にかかる負担が軽減され、痛みが改善されると考えています。
膝の痛みを放っておくとどうなるの?
膝関節に痛みがある場合、人は無意識のうちに膝をかばうような動作をするようになります。その結果、股関節や足関節といった膝関節以外の関節が、膝関節の動きを代償し始め、負担が大きくなっていきます。その代償運動をすることで、可動性が低下する関節と、その逆に可動性が増大する関節が現れます。
動作のほとんどは、複数の関節が協調的に働くことでなされます。一時的な協調性の破綻は問題ありませんが、疼痛が長引くと協調性の破綻が固定化し、可動性が増大した関節が障害されるリスクが高まります。そして姿勢の軸となる骨格を構成する骨や軟骨、関節の配列が崩れ、関節が変形してしまい、歩行に支障が出てきます。そして徐々に腰や肩、首など、痛みが全身に広がり、日常生活で動作が困難となり、寝たきりになってしまうことがあります。膝だけでなく全身の問題として考える必要があります。
膝の痛みの改善方法
痛みの原因疾患を明らかにすることが必要です。肥満であれば体重を減少させ、骨の配列不良の場合は、骨格の矯正やインソール(靴の中敷)の工夫、テーピングなどで対応します。
筋肉や関節の硬さが問題であれば、十分なストレッチを行います。
筋力の低下が問題と考えられる場合は、痛みが生じないような方法で筋力強化が必要です。着地によく見られる不良な動的アライメントとして、つま先が外側を向き、スネが内側に倒れ、膝が内側に入りながら踏ん張る形態があります。このような体制で着地の衝撃を受け止めると、膝前十字靭帯損傷の受傷機転となることがあります。安全な着地動作の習得には、バランスボードなどのバランス訓練や股関節周りの筋力強化など行います。
膝の痛みの改善におすすめする当院の施術メニュー
下半身ストレッチと骨盤はがしです。
骨盤が傾くと、重心の軸が変化し、人は身体が倒れないようにバランスをとり、上半身や股関節の角度を変えて踏ん張ります。
骨盤が回旋すると、胸部と股関節に回旋を伴い、さらに足部と膝関節に影響を及ぼします。姿勢は歪み、身体を支える筋肉は固く短縮し、下半身の骨の配列を崩すことがあります。
下半身ストレッチは、体幹や下半身の筋肉の柔軟性を高めます。反動をつけずに短縮した筋肉を徐々に伸ばし、最大限で静止するストレッチです。
骨盤はがしは股関節をいろいろな方向に動かすことで、関節を構成する軟部組織の柔軟性を高めます。股関節の可動域を広げることで、膝関節へ繋がる筋肉の緊張ストレスを軽減します。
その施術を受けるとどう楽になるの?
骨盤の傾斜により、短縮する筋肉と伸長され弱化を伴う筋肉があります。固く短くなった筋肉をストレッチすることで、筋硬結がほぐれ、新鮮な血液やリンパが筋肉内へ流入します。体温が上昇し、体液の循環が良くなり、痛みや浮腫み、だるさが改善されます。ストレッチで骨盤の歪みが整うと、伸ばされて弱化していた筋肉に力が入るようになり、楽に動けるようになります。
固くなった股関節を動かすことによって、関節内で潤滑油の役割を担っている滑液の循環が促進されます。股関節の可動域を広げることで、膝の運動を伴う筋肉、腱、靭帯の緊張ストレスが緩和されます。ランニングの際にみられる腸頸靭帯炎や鵞足炎では、筋緊張の不均衡が整えられるので、伸張ストレスが減少され、痛みが緩和されます。
改善するための施術頻度は?
施術の開始直後は、悪い癖がついているので、元に戻りやすいです。できるだけ毎日でも通っていただくと、改善が早いです。筋肉の細胞が新しく総入れ替えするまでが、3ヶ月といわれています。柔らかい筋肉を創って行くには、頻度として週に2回~3回。3日に1回のイメージで、約3月間受けていただくと、ある程度の改善が見込めます。
約3ヶ月で痛みが無くなり、約6ヶ月で歪みが整い、上手く使えていなかった筋肉が動かせるようになり、動作が楽になります。
約9ヶ月で良い姿勢が定着し、戻りにくくなります。
歪みの状態により個人差があります。ぜひ、お気軽にご相談ください。